
はじめに 〜 小さな町から生まれた、ひとつの物語
奈良県三宅町という、地図で見ればほんの小さな点のような町。
けれどその町で、ある挑戦がひっそりと始まっていました。
私たち鈴木靴下の代表・鈴木和夫が、NewsPicks+dにて取材を受けた記事が公開されました。
この記事では、「米ぬか」から糸をつくり、肌にやさしい靴下を生み出すまでのストーリーが紹介されています。
※NewsPicks+dにご登録の方のみ全文をご覧いただけますが、今回はその一部を、私たちの言葉でお届けできたらと思います。

「米ぬかで靴下を」――誰にも信じてもらえなかったアイデア
鈴木がその想いを抱いたのは、まだ20代の頃。
子どもの頃に見た、ぬか袋で磨かれた廊下の記憶。
兼業農家として毎年出る“米ぬか”のもったいなさ。
「この米ぬかで、肌にやさしい靴下が作れたら…」
誰にも相手にされなかったアイデアを、20年の時を経て、もう一度信じてみることにしたのです。

1億円かけて、糸からつくるという挑戦
米ぬかの専門家との出会いが、背中を押してくれました。
「必ず良いものができる」と言ってくれた言葉が、ずっと心の支えだったといいます。
実際には、思うように進まないことの連続。
鍋で煮て、乾かして、粉が舞って…
けれど、自ら動いて試し、教えてもらい、また動く。
そうして少しずつ、答えに近づいていきました。

作ったあとが、もっと大変だった
完成した「歩くぬか袋」。
でも、そこからがまた試練でした。
「開発の10倍難しい」と鈴木が語るのが“販売”です。
知られていない製品を届ける難しさ。
大手との商談で感じた力の差。
悔しさと、心身への負担。
だからこそ、たどり着いたのが「自分たちの手で伝える」という今のかたち。
展示会には出ず、言葉で、映像で、想いを丁寧に発信するというスタイルです。

米ぬかが、町を元気にする日
この取り組みは、靴下をつくるだけでは終わりませんでした。
米ぬかが再び注目され、町の人たちが誇らしく思ってくれるようになった。
「ただの田舎じゃない。ここには、面白いことがある」
そんなふうに、町の空気が少しだけ明るくなったような気がしています。
そして私たちは今、ただの靴下屋さんではなく、町のコンセプトショップでありたいと願っています。
つくる人と使う人をつなぐ場として、これからもあり続けたいと思っています。

おわりに ― 「やさしさ」は、目に見えないからこそ
鈴木靴下の製品は、ぱっと見たときの派手さはありません。
でも、そっと履いたそのときに、肌が感じるやさしさ。
それは、“見えないところに手をかける”という、ものづくりの姿勢そのものです。
心も、肌も、やさしく包まれるような靴下。
これからも、そんな一足をお届けしていけたらと思います。
▶︎ NewsPicks+dにて掲載された記事をご覧いただけます。
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・前編:「開発費1億円以上。ヒット商品『米ぬかソックス』の原点とは」
・後編:「米ぬか繊維で町に活気を。商品の高評価を導くシンプルな精神」
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