今日の奈良は、夕方から雨の予報です。
三月のやわらかな光の奥に、まだ冬の冷たさが残っています。
明日は、ひなまつり。
今年は、社長宅にて70年間大切に守られてきたお雛様を、店舗に飾りました。
お雛様とお内裏様のおふたりを ―

古い町並みが残る奈良では、季節の行事が、今も息づいています。
大きく祝うというより、暮らしのなかに、自然と置かれているような行事。
このお雛様も、きっとそうやって、毎年春を迎えてきたのでしょう。
箱から出され、やさしく飾られて、季節が過ぎれば、また静かにしまわれる。
その繰り返しを、70年。
店内に飾ると、雨の気配のなかにも、やわらかな春が灯りました。
奈良の春は、いつもゆっくりです。
一気に暖かくなるのではなく、冷たい雨と、やさしい日差しを繰り返しながら、少しずつ。
足元にまだ冷たさを感じるのも、きっとその途中。
急がず、重ねる。
守りながら、巡る。
70年守られてきたお雛様を見ていると、そんな奈良の春と、どこか重なります。
明日はひなまつり。
どうか、やわらかな一日になりますように。
お近くにお越しの際は、どうぞ春の空気を感じにいらしてください。

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