トラクターで始まる米づくりの一年

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黄砂の空の下で、土を整える

2月の田んぼは、まだ何もありません。
水もなく、芽もなく、乾いた土だけが広がっています。

先日は、黄砂が強く舞う一日でした。
あたたかいはずなのに、空はどこか白くにごり、トラクターが走るたび、砂がふわりと巻き上がります。

冬の帽子に、眼鏡とマスク。
顔のほとんどを覆って、土の上に立ちました。

朝9時から夕方まで。
耕して、向きを変えて、また耕す。

単調に見える作業ですが、トラクターの振動は思っている以上に体に残ります。
夜になると、何もしていないのに、体の奥がじんわり重い。
土を動かすというのは、それだけの力を使う仕事です。

2月に行う田起こし

この時期の作業は「田起こし」。

トラクターで土を耕し、秋の稲わらをすき込みながら、空気を含ませ、土をほぐしていきます。

2月から5月までは、草が生えにくい状態を保つために、月に一度のペースで耕します。
一度整えたら終わり、ではありません。

放っておけば、土はすぐに変わります。
自然は、人の都合を待ってくれません。

だから、また耕す。
また整える。
その繰り返しです。

カラスが知っていること

耕したあとの田んぼには、カラスが集まります。
土が動いたことを、いちばん早く知っているのは、案外、鳥たちかもしれません。
ひっくり返った土の中から、虫や小さな生きものが姿を見せる。

人の手が入り、土が動き、小さな命が動き出す。
こうして、春は少しずつ始まっていくのでしょうか。

米ぬかのはじまりは、この土から

秋に実るお米。
その精米のときに生まれるのが「米ぬか」です。

けれど米ぬかは、精米の瞬間に急に生まれるものではありません。
その前に、乾いた田んぼがあり、何度も耕される土があり、季節を待つ時間があります。

この2月の、何もないように見える景色。
そこが、はじまりです。

すぐに形にならない時間

土づくりは、今日耕したからといって、明日なにかが芽吹くわけではありません。
それでも手を入れる。
目に見えない時間を重ねることでしか、次の実りにはつながらないからです。

2月の田んぼは、まだ何も実っていません。
けれど、すべての始まりがある場所です。

私たちが大切にしている「米ぬか」という素材も、この地道な土づくりの時間から始まっています。

田起こしの様子|公式YouTubeで見る

私たちの日々の田んぼでの作業を、公式YouTubeでもご覧いただけます。

静かな季節の風景や、トラクターで耕す様子が映し出されています。
文字や写真だけでは伝わりにくい、土の空気感や音を感じていただければうれしいです。